meeting point「ドキドキする映画観賞の法則」「原付に乗る映画観賞」で見えたもの~開催レポート~

好評のうちに幕を閉じた第1回シブヤガワ映画祭。

「meeting point」プロジェクト当日の様子をお伝えします!


渋谷を臨むビル10階に、1日限りの「二人乗り」シアター登場

10月10日「第1回シブヤガワ映画祭」当日を迎えました。

朝8時。キャットストリートからほど近い運営事務局に、シブヤ大学映画祭部メンバーが集合。ボランティアスタッフも加えた約50名で、運営ミーティングを行いました。タイムテーブルや会場設備を確認し、各自持ち場に向かいます。

meeting point「ドキドキする映画観賞の法則」の上映会場は、QUARTZ GALLERY (クオーツギャラリー) 。宮益坂の上、青山通り沿い10階というロケーションです。この場所が、「二人乗りしながら映画を観る」という、新しい映画体験の舞台となります。


スーパーカブ、PCXなど、Hondaの原付がそのまま座席に


前回のレポートでは、「映画×原付」ならでは、の映画の観方として

「原付の二人乗りをイメージした二人乗りシートを設置し、2人で一つのシートに座りながら映画を鑑賞」という企画をお伝えしました。

その後、ミーティングを重ねるうち「どうせなら、本物の原付がいいのでは?」との意見が。

最終的には株式会社ホンダモーターサイクルジャパン/GENTSUKI CLUB協力のもと、

「原付(二種)に二人乗りしながら映画を観る」

という、他に類のない映画祭企画となりました。


「原付に乗って映画を観る」というと、ドライブインシアターのように屋外駐車場スペースで観るスタイルを想像されるかもしれません。

今回の上映会場は、ビルの10階。屋外どころか地上ですらないロケーション。

渋谷の街を臨む3面ガラス張りの一室に設置された原付に二人乗りし、ハートウォーミング系のショートムービーとサスペンスドラマを鑑賞する。さらに原付に乗った二人の心理的な状況を精神科医が解説するという、2部構成のプログラムが誕生しました。


原付は5車種15台。安心して乗車できるようセッティング

13時半。原付を設置する準備がはじまりました。最初に原付を固定する専用スタンドが運ばれます。バイク店のように、原付に付属しているスタンドで立たせるだけでは、上映中力が加わることで動いてしまう可能性があります。床にゴムシートを敷き、その上にスタンド固定用の鉄板を設置。原付前輪に取り付けた軸を左右から専用スタンドで挟み、後輪を鉄枠にはめこんで安定させます。

原付そのものを観賞用シートとして使用するにあたり、何より考慮されたのが安全性です。原付に乗った二人が不安を感じることなく上映作品に集中できるよう、モーターショーなどのバイク展示にも携わる配送・セッティングのプロが30名で対応。1台5人がかりで慎重に固定しました。

スタンドは、前後輪のサスペンションを活かす構造です。乗車した人の体重で自然に沈み、二人の体重を吸収。安定感がアップするとともに、原付のリアルな乗り心地が伝わる仕組みです。

設置した15 台の原付の内訳は、「グロム」4台、「リード125」4台、「ディオ110」3台、「スーパーカブ110」2台、「PCX」2台。いずれも二人乗りで公道を走ることができる原付二種です(※運転には小型限定普通二輪免許が必要です)。

原付に座りながら映画鑑賞するという試み。参加者からはどんな反応が返ってくるでしょうか?


原付を選び、いざ鑑賞へ

原付二人乗り席は、原則カップルでの参加です。開場の案内とともに、1組、2組とカップルが入場しました。

まずは席選び。原付乗車席は自由に車種を選べます。ハンドルを握ったりシートに座るなどしながら、好みの原付を選びます。原付の撮影はOK。いろんな原付に座りながら、原付とともに写真を撮る姿が見られました。

上映作品は、ハートウォーミングな短編アニメーション『つみきのいえ』と、Netflixオリジナルサスペンスドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン1(第1話)。各上映後にゲストである精神科医が作品にまつわる心理的効果を解説します。

解説を担当する精神科医は、ゆうきゆう先生。渋谷や新宿に心療内科を開業する「ゆうメンタルクリニック」代表であり、『マンガで分かる心療内科』『モテるマンガ』(いずれも少年画報社)などのまんがシリーズ原作者としても活躍しています。


ハートウォーミングとサスペンス。ドキドキはどう違う?

はじめの上映作品は『つみきのいえ』。アカデミー賞短編アニメ部門賞を受賞した本作は、亡きおばあさんとの暮らしを思うおじいさんの物語。相手にゆったりと体をあずけあう、カップルの姿が見られました。

上映後、ゆうき先生の解説に登場したキーワードは、「パーソナルスペース」。原付二人乗りのような前後の並びは、横並びで座るよりも相手を受け入れあっている状態といえるそう。特に今回のようなハートウォーミングな作品は、後ろに座った人が包み込み、前に座った人が包み込まれる関係が築かれているようです。


続いて『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン1(第1話)を上映。アメリカの連続ドラマらしいスピード感あるサスペンスです。前後席の席替えは自由なので、上映前に席を替わるカップルや、上映中に女性が後部席の男性と席を替わる様子も見られました。衝撃的なシーンで、相手にしがみつくカップルも。

上映後は、前後席それぞれの役割について、ゆうき先生が解説します。サスペンスやホラーのような恐怖や驚きでドキドキするシチュエーションの場合、前席の人が後ろの席の人を守る関係であるそう。後席の人は、前席の人を頼れる存在として認識しているのでは? とのゆうき先生の投げかけに、うなずきあうカップルの姿も見られました。


原付は、四輪自動車や自転車に比べ、スピード感というドキドキを得やすい乗り物。原付に二人乗りできるのはお互いを信頼しているからこそ、というゆうき先生の解説もありました。


meeting pointを終えて


原付二人乗りという、映画館の席とは見える景色も座り心地も異なる今回の上映イベント。無事全2回のプログラムを終えることができました。

原付の乗車席そのままであるために、密着感や疾走感を得られる一方で映画館のような座り心地や見やすさは提供できない状況でした。そんな中で実現した「横ではなく縦に密着しながら観るという体験」に、参加者の方から様々な感想をいただきました。

・バイクに乗ったことがなかったので新鮮

・ドキドキしたとき、ハンドルにつかまったり膝に力をこめることができてよかった

・思っている以上に、相手のドキドキ感や温もりが伝わってきた

・人目気にせず密着できた

・こういう映画館があってもいい

2人の距離が近いため、相手がどんなシーンでドキドキするのかわかって面白かったという感想も寄せられました。

原付にはじめて触れる参加者は、原付を身近に感じるきっかけになったようです。

・本物だったのでびっくり

・そのまま走りだしたくなった

・いろんな原付に乗ることができてよかった

・原付が欲しくなった


また、「ここに来る前ケンカをしていたけど仲直りすることができた」というカップルも。

二人乗りというシチュエーションがお互いの心理に影響を及ぼしたのかもしれません。

「映画や原付を2人で一緒に体験するということは、カップルの関係を深め長続きさせるきっかけになる」と、ゆうき先生のアドバイスもありました。


第1回シブヤガワ映画祭は、meeting point以外のプログラムも無事終わり、好評のうちに幕が降りました。

シブヤガワ映画祭は終わっても、シブヤ大学映画祭部の活動は続きます。

今回の成功をうけて、シブヤ大学映画祭部だからこそできる新たな企画も、生まれてくるハズです。


また、meeting pointが提案した「映画×○○」という試みも、次のシブヤガワ映画祭へ向けて考えさせられる貴重な体験となりました。次回以降、どのような発想が出てくるかはわかりませんが、今後ともシブヤ大学映画祭部の活動を見守っていただければ嬉しいです


・GENTSUKI NEXT PROJECT(http://www.honda.co.jp/gentsuki-club/next/

(Photo/澁谷海藍、GENTSUKI CLUB Text/齋藤純子)

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